1. 消費税を納める義務がある個人事業者は?

 基準期間(前々年)の課税売上が1,000万円を超えた場合、消費税を納める義務のある課税事業者となります。

【ポイント1】

@平成16年分の課税売上が1,000万円を超えた場合、平成18年は課税事業者になります。

A平成17年分の課税売上が1,000万円を超えた場合、平成19年は課税事業者になります。

新たに課税事業者となる方は、速やかに「消費税課税事業者届出書」を提出してください。

(注)

平成16年分まで課税売上高が継続して1,000万円を超えていたが、平成17年分の課税売上高が1,000万円以下の場合、平成18年は課税事業者になりますが、平成19年は免税事業者となります。

この場合、「消費税の納税事業者でなくなった旨の届出書」を提出してください。


【ポイント2】

基準期間の課税売上高が10,500,000円(税込み)の場合

@基準期間が課税事業者だったものの判定(税抜きで計算)

10,500千円×100/105=10,000千円 → 免税事業者

A基準期間が免税事業者だったものの判定(税込みで計算)

10,500千円 → 課税事業者

(注)基準期間における課税売上高の判定は、基準期間において課税事業者であれば消費税抜きで判断され、基準期間において免税事業者の場合は、消費税込みで判断します。

【ポイント3】

消費税等の納付税額は、「課税売上に係る消費税額」から、「課税仕入に係る消費税額」を差し引いて計算します。計算方法として、以下の本則課税制度と簡易課税制度があります。

2.本則課税制度とは?

事業者の納付する消費税額は、原則として「課税売上に係る消費税額」から、「課税仕入に係る消費税額」を差し引いた金額になります。平成15年度消費税法の改正により、基準期間の課税売上が5,000万円を超える事業者は、本則課税制度により消費税額を計算することになります。

【消費税の納付税額の計算方法】

@国税の消費税(4%)の計算

A地方消費税(1%)の計算

@とAの合計(5%)が消費税の納付税額です。

【ポイント1】

消費税額の計算は、まず国税の4%分を計算し、その国税の25%(4%×25%=1%)の地方消費税を計算します。したがって、消費税と地方消費税合わせて5%となります。

【ポイント2】

@高額な設備投資や仕入を行う場合は、簡易課税制度と比較すると本則課税制度の方が税額が少なくなることがあります。

A基準期間の課税売上高が5,000万円を超える事業者は、簡易課税制度を適用することができなくなります。そこで本則課税制度で消費税の計算を行うことになりますが、課税仕入れ等に係る消費税額の控除を受けるためには、原則として課税仕入れ等の事実を記録した帳簿及び課税仕入れ等の事実を証する請求書等の両方の保存が必要となります。帳簿及び請求書等は、これを整理し、納税地等に保存する必要があります。

消費税法における帳簿及び請求書等の保存期間

帳簿の記帳事項

(イ)相手先の氏名又は名称

(ロ)取引の年月日

(ハ)資産又は役務の内容

(ニ)取引の金額

請求書等の記載事項

請求書等とは、請求書・納品書・仕入計算書・仕入明細書・領収書などのことをいいます。

(イ)書類の作成者の氏名又は名称

(ロ)取引の年月日

(ハ)資産又は役務の内容

(ニ)取引金額

(ホ)書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称

【参考】

商法では、「商人は10年間その商業帳簿及びその営業に関する重要書類を保存することを要す」と定められている他、所得税法上は、次のように定められています。

また、法人税法上は、次のように定められています。

(注)平成13年3月31日以前に開始した事業年度のものは「5年」です。

よって、消費税の課税事業者か免税事業者であるか、または本則課税制度か簡易課税制度を選択しているか、いずれにかかわらず、上の表のように殆んどの帳簿及び請求書類は7年間保存することが義務付けられていますのでご注意下さい。

●次の前提条件の事例で実際に計算してみましょう

(注)課否の判定の○は消費税がかかるもの、×はかからないものを示します。

(注)消費税及び地方消費税の納付税額は百円未満を切捨処理をします。

従って、消費税の納付税額は266,600円+66,600円=333,200円となります。

3.簡易課税制度とは?

小規模事業者への特例措置として、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業所は、課税売上高から納付税額を計算できる「簡易課税制度」の選択ができます。

納付税額は、「課税売上に係る消費税額」に事業の種類ごとに定められた「みなし仕入率」を掛けた額を「課税仕入れに係る消費税額」として算出します。

【消費税の納付税額の計算方法】

@国税の消費税(4%)の計算

A地方消費税(1%)の計算

@とAの合計(5%)が消費税の納付税額です。

したがって、実際の課税仕入れ等に係る消費税額を計算する必要はなく、課税売上高のみから納付する消費税額を算出することができます。

【ポイント1】

簡易課税制度の適用を受けるための要件

@課税事業者の基準期間における課税売上が5,000万円以下であること。

A「消費税簡易課税制度選択届出書」を所轄税務署長に、簡易課税制度を選択しようとする年の前年の末日までに提出する必要があります。

【ポイント2】

@課税期間の課税売上が5,000万円を超える事業者は、簡易課税制度を選択できません。

A支払った消費税額をみなし仕入率により計算するため、簡易に計算ができます。

(ただし、高額な設備投資を行った場合で、本則課税制度により計算すれば還付となるケースでも、還付を受けることはできませんので注意が必要です。)

B簡易課税制度を選択すると、2年以上継続した後でなければ、選択をやめることができません。

なお、簡易課税制度の選択をやめようとする場合、適用をやめようとする課税期間の初日の前日までに「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を所轄税務署長へ提出して下さい。

【みなし仕入率】事業の区分は原則として取引ごとに判定し、いずれかに区分することになります。

(注)

事業者が事業の用に使用していた固定資産等を譲渡する場合は、第四種事業に該当します。

【ポイント】

2種類以上の事業を行っている場合、課税売上を事業の種類ごとに区分しておく必要があります。

原則的な計算方法

それぞれの事業の課税売上に係る消費税額に、それぞれのみなし仕入率を乗じた金額の合計額となります。

特別な計算方法

@種類の事業に係る課税売上高が全体の75%以上を占める場合は、その75%以上をしめる事業のみなし仕入率を全体の課税売上高に対して適用します。

A3種類以上の事業を営む場合、特定の2種類の事業の課税売上高の合計が全体の75%以上を占める場合は、その2種類の事業のうち、みなし仕入率の高い方の事業に係る課税売上高については、そのみなし仕入率を適用し、それ以外の課税売上高については、その2種類の事業のうち低いほうのみなし仕入率をその事業以外の課税売上高に適用することが出来ます。

先の本則課税と同じ前提条件の事例で実際に計算してみよう。

従って、消費税の納付税額は160,000円+40,000円=200,000円となります。

4.課税事業者になった時の注意点

平成15年度消費税法改正により新たに課税事業者となった方は、次の点に注意して下さい。


消費税の課否で困ったときは、この表を参考にしてください。

(注)郵便切手・郵便はがきについては、その購入時は非課税であっても、使用時に自社の課税仕入れとなるものは継続適用を条件として購入した日の属する課税期間の課税仕入れとすることができます。

【ポイント】

消費税の課否の判定は取引ごとに行うものであり、勘定科目で行うのではありませんので、この表はあくまでも「目安」である点にご留意ください。なお詳しくは、税務署等にお聞きください。

5.納税資金の準備は?

消費税は売上に対して課税されるため、申告所得が赤字申告となる事業者の方であっても、 消費税を納付しなければならない場合がありますので、期限内(3月末日まで)に納付するためにも、「納税資金の積立」をお勧めします。

 別表:【業種別月々の積立目安額】


6.消費税の申告納付

課税事業者となられた個人事業主の方は、課税期間の翌年3月31日までに所轄税務署長に消費税の確定申告書を提出するとともに、その税金を納付しなければなりません。(例外として、課税期間特例の適用がある場合を除く)

【ポイント】

@個人事業主の方の所得税の申告・納付期限は、事業年度の翌年3月15日までですが、所得税の申告・納付とは別に消費税の申告・納付を行う必要があります。

A直前の課税期間の確定消費税の額(地方消費税額は含みません)が48万円を超える場合、中間申告と納税を行う必要があります。


 各商工会では、みなさまの消費税に対する疑問を解決するために、随時、事業者向けの講習会・相談会等を開催いたします。

 最寄りの商工会までお気軽にご相談下さい。

●リンク集

・Web消費税ガイド:[http://www.taxinfo.jp/

・消費税納税シミュレーション:[http://www.taxinfo.jp/tax_test/index.html

・全国商工会連合会消費税申告支援システム:[http://shz.shokokai.or.jp/shinkoku_top.html#

・財務省ホームページ:[http://www.mof.go.jp/]

・国税庁ホームページ:[http://www.nta.go.jp/]

・タックスアンサーホームページ:[http://www.taxanswer.nta.go.jp

・届出・申請等の様式のダウンロードは、国税庁・タックスアンサーのホームページが便利です。

●参考

・石川県商工会連合会:[http://www.shoko.or.jp/017tax/01kaisei-naiyou.htm

・福井県商工会連合会:[http://www.shokokai-fukui.or.jp/info/tax.html